アルテミシア アンヌア

中央動物病院

04-2958-1211

〒350-1308 埼玉県狭山市中央4-24-4

診療時間:午前9時~12時/午後4時~7時 休診日:土曜日、日曜日

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アルテミシア アンヌア

Artemisia annua

Artemisia annua L. クソニンジン

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アルテミシア アンヌア(アヌアと表現するものもあるが、ここでは特別非営利活動法人日本メディカルハーブ協会の表現を使用します)は別名クソニンジンとも呼ばれるヨモギの一種で、生薬の黄花蒿でもあります。余談ですが Artemisia annua L. のL.とは植物学者で名付け親の名前カール・フォン・リンネ氏を表しており、マキシモビッチ氏が命名したものは最後にMaxim.が、牧野博士の場合Makino(.はない)となります。ちなみにL.は付けても付けなくても良いもののようです。

アルテミシニン含有量

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ヨモギの一種クソニンジンにはアルテミシニンが含有されますが、その量は同じクソニンジンでも株によってすごい差があります。その量は乾燥重量で 0.01% から 1.2% と100倍を超える違いがあります。さらにエリート株で、管理された栽培方法で得られたものでは3%を優に超えるものまであります。

クソニンジンにはエリート株がある

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アルテミシア アンヌア(クソニンジン)をアルテスネートなどマラリア治療薬製造のための原料として利用する場合には、スイス中国ブラジルそれぞれで開発をされたエリート株を使用しているようです。それ以外の株は、有効成分が薬用に適さない含有量であるものが非常に多く存在します。したがって、黄花蒿として販売されているものの有効成分含有量は保証されないものと考えた方が無難かもしれません。

クソニンジン成分量は株で大違い

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クソニンジンは蕾(つぼみ)を持つ頃からアルテミシニン等の有効成分量が急増します。そしてその枝葉は法的に医薬品になります。つまり蕾を持つ前は有効成分が少なく効果を望めないクソニンジンです。有効成分の少ない、花の蕾を持つ前のクソニンジンを売することは問題とならないのでしょうが、医薬品として効果ある花の蕾をつけて以降のクソニンジンは有資格者以外販売してはいけません。正式には、帯果、帯花枝葉を医薬品としており、販売は法に触れる可能性があるため、販売者とともに購入者も気を付ける必要があります。

黄花蒿の効果は?

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アルテミシア アンヌア(クソニンジン)は帯果・帯花枝葉が黄花蒿と呼ばれ医薬品になります。何千年かで培われた応用方法が知られています。これは EBM とは反対の位置にあり、信頼度の高いNBM (Narrative Based Medicine) に分類されます。黄花蒿は慢性熱病(マラリアを含む)の解熱薬として使用される他、発熱、日射病、熱射病、寝汗、外用でインキンタムシ、寄生性皮膚病などに効果があります。最近は、黄花蒿やアルテミシニン誘導体が、がんや腫瘍そしてIBD(炎症性腸疾患)などに効果を示すことを報告する論文が多数発表されています。

がん、腫瘍に対しての効果

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アルテミシア アンヌア(クソニンジン)やアルテスネートなどのアルテミシニン誘導体は、人において様々ながんや腫瘍に効果を示すことが、たくさんの論文で示されています。犬においても同様です。骨肉腫、軟部組織肉腫、膀胱癌、アポクリン腺癌、前立腺癌、リンパ腫など多種多様な新生物に対する効果が報告されています。アルテミシア  アンヌア (クソニンジン)にはアルテミシニン類以外にも抗癌作用を示す成分が多数含まれます。

大腸がんに効果

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アルテミシア アンヌア(クソニンジン)にも含まれ、アルテミシニン、アルテスネートの体内での代謝産物でもあるジヒドロアルテミシニンが、末期大腸がんに効果を示すという論文。

炎症性腸疾患 (IBD)

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アルテミシア アンヌア(クソニンジン)やアルテスネートなどのアルテミシニン誘導体は、医療分野で炎症性腸疾患(I B D)に対する有効性について、いくつもの論文が報告されています。同様に、犬の炎症性腸疾患(I B D)への効果についても報告がなされています。

IBDへの効果を示唆する一つの論文

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アルテミシア アンヌア(クソニンジン)やアルテスネートなどのアルテミシニン誘導体が、炎症性腸疾患(I B D)に有効であるとする論文の一つです。他にもたくさん発表されています。

IBDとアルテスネート

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アルテミシア アンヌア(クソニンジン)のアルテミシニンからの誘導体アルテスネートと炎症性腸疾患(I B D)に関する論文です。他にも発表されています。

IBDとジヒドロアルテミシニン

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アルテミシア アンヌア(クソニンジン)にも含まれるジヒドロアルテミシニンが炎症性腸疾患(I B D)に効果を示すという論文です。発表は他にもあります。

免疫調節機能

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アルテミシア アンヌア(クソニンジン)やアルテスネートなどのアルテミシニン誘導体は、免疫調節効果を示し、免疫系領域における新たな治療アプローチを提供する。自己免疫疾患に対する治療効果の報告を見つけ、当院でもセカンドオピニオンで来院された、長期こじれた特発性血小板減少症の犬に応用し、1年後の現在も正常値を維持しています。

感染症治療

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細菌感染症、寄生虫感染症、ウイルス感染症に対し効果があるとの報告が多数あります。中でも驚いた報告として、狂犬病ウイルスの複製阻害についての論文がありました。また、新型コロナウイルス感染症に効果を示す報告もありますがアルテミシニンにその効果は確認できず、葉に含まれる様々なその他の成分のいずれかに抗新型コロナウイルス効果が見られるようです。日本住血吸虫やバベシアや日本にはいませんがリーシュマニアにも効果を示す論文が発表されています。

糖尿病の症状改善効果

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アルテミシア アンヌア(クソニンジン)やアルテミシニン誘導体は糖尿病に効果を示すことを示唆する報告が多数出ています。その一部を示します。

Artemisia annua L. 抽出物は、HFD/STZ 糖尿病マウスのアディポネクチン、レプチン、レジスチンの産生を変化させ、インスリン抵抗性を改善した

Artemisia annua L.の水抽出物とアルコール抽出物は、高脂肪食/ストレプトゾトシン誘発糖尿病マウスにおけるTNF-α、IL-6、遊離脂肪酸を減少させることによりインスリン抵抗性を改善した

Artesunate は、NLRP3/カスパーゼ-1/GSDMD 経路の阻害により、ストレプトゾトシン誘発糖尿病から膵臓 β 細胞を保護します

アルツハイマー病

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犬の神経疾患の一つに、アルツハイマー病やそれに伴う認知障害が起こります。アミロイドβの蓄積、タウ蛋白の過剰リン酸化、それに伴う炎症をアルテミシア アンヌア(クソニンジン)やアルテミシニン誘導体が治療効果を示し認知機能の改善に役立つことが報告されています。

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