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大量の胸水貯留を伴う犬のリンパ腫に対するアルテスネートの効果
海外では、人及び犬・猫のがん・腫瘍に対しアルテミシニンやその誘導体を治療薬として使用し、良好な効果が得られているとの報告が増えています。
注意すべき事として、人ではアルテミシニンの吸収性は安定しているようですが、犬や猫では非常に不安定であるため効果が不確実であることが知られております。
アルテミシニン誘導体の一つアルテメテル(アルテメーテル、アルテメーター)は、人ではほとんど毒性はないとされていますが、犬・猫では神経毒性や心筋毒性があると報告されており、投与は控えるべきです。
別のアルテミシニン誘導体のアルテスネートは、犬・猫においても吸収性が安定しており、アルテミシニンより良い効果が得られており、副作用は他の抗がん剤と比べ軽く、非常に投与しやすい薬です。
今回大量の胸水貯留を伴うリンパ腫のボストンテリアに対し、アルテスネートの単独投与で胸水の貯留が止まり、体調の改善も認められている例をご紹介します。
9月中旬から食欲がなくなる。
超音波検査にて胸水の貯留と心膜周囲全体に高エコーの物体を確認。
胸水350ml抜去。
院内の細胞診では、リンパ腫を疑う独立円形細胞を確認。
後日検査センターからの報告書が届きリンパ腫と診断。
超音波検査にて再び胸水の貯留を確認し、胸水350ml抜去。
超音波検査にて再び胸水の貯留を確認し、胸水290ml抜去。
この日よりアルテスネートの投与を開始。
超音波検査にて再び胸水の貯留を確認し、胸水280ml抜去。
超音波検査にて胸水がわずかに貯留しているが抜去不要と判断。
超音波検査にて胸水を認めず。
アルテスネートが悪性腫瘍の多くの種類に効果が認められていることから、検査センターからの報告の前に投与を開始したところ短時日の内に効果が現れ始めました。
今後の状態により、通常のリンパ腫治療プロトコールの併用を予定しています。
24/07/27
24/03/25
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海外では、人及び犬・猫のがん・腫瘍に対しアルテミシニンやその誘導体を治療薬として使用し、良好な効果が得られているとの報告が増えています。
注意すべき事として、人ではアルテミシニンの吸収性は安定しているようですが、犬や猫では非常に不安定であるため効果が不確実であることが知られております。
アルテミシニン誘導体の一つアルテメテル(アルテメーテル、アルテメーター)は、人ではほとんど毒性はないとされていますが、犬・猫では神経毒性や心筋毒性があると報告されており、投与は控えるべきです。
別のアルテミシニン誘導体のアルテスネートは、犬・猫においても吸収性が安定しており、アルテミシニンより良い効果が得られており、副作用は他の抗がん剤と比べ軽く、非常に投与しやすい薬です。
今回大量の胸水貯留を伴うリンパ腫のボストンテリアに対し、アルテスネートの単独投与で胸水の貯留が止まり、体調の改善も認められている例をご紹介します。
経過
9月中旬から食欲がなくなる。
9月16日
超音波検査にて胸水の貯留と心膜周囲全体に高エコーの物体を確認。
胸水350ml抜去。
院内の細胞診では、リンパ腫を疑う独立円形細胞を確認。
後日検査センターからの報告書が届きリンパ腫と診断。
9月19日
超音波検査にて再び胸水の貯留を確認し、胸水350ml抜去。
9月20日
超音波検査にて再び胸水の貯留を確認し、胸水290ml抜去。
この日よりアルテスネートの投与を開始。
9月21日
超音波検査にて再び胸水の貯留を確認し、胸水280ml抜去。
9月22日
超音波検査にて胸水がわずかに貯留しているが抜去不要と判断。
9月24日
超音波検査にて胸水を認めず。
10月6日
超音波検査にて胸水を認めず。
10月11日
超音波検査にて胸水を認めず。
アルテスネートが悪性腫瘍の多くの種類に効果が認められていることから、検査センターからの報告の前に投与を開始したところ短時日の内に効果が現れ始めました。
今後の状態により、通常のリンパ腫治療プロトコールの併用を予定しています。