犬猫の血液型

中央動物病院

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犬猫の血液型

STAFF BLOG

2018/06/26 犬猫の血液型

時々、飼い主様から「犬猫にも血液型はあるのですか?」と質問される事があります。もちろんあります。今回は犬猫の血液型について簡単に紹介させて頂きます。

 

犬の血液型は、赤血球表面にある犬赤血球抗原(DEA)により分類するDEA式が普及しており現時点ではDEAはDEA1.1、DEA1.2、DEA3、DEA4、DEA5、DEA6、DEA7、DEA8、DEA9、DEA10、DEA11、DEA12、DEA13の13種類が存在し、ややこしいのですが1頭の犬が1種類だけでなく複数のDEA抗原を保持するため血液型は例えばDEA1.1(+)、DEA1.2(-)、DEA3(-)・・・と言う具合に表現します。

 

猫の血液型は、A型、B型、AB型の3種類の型に分類されます。

 

血液型は、輸血の適合性、繁殖の際の新生子溶血性疾患発生の危険性の判別、血統の立証などに利用されています。

 

ちなみに犬の血液型は一般臨床の現場では判定キットを使って行うのですがDEA1.1に関してのみしか、その保有の有無を判定できません。何故、DEA1.1のみ判定しているかというと、DEA1.1は抗原性が高く臨床的に問題になる可能性があるためです。

 

具体的には、例えば輸血に際してDEA1.1型の血液つまりDEA1.1を保有する血液をDEA1.1型でない個体に輸血を行うと、もし輸血を受ける側の個体がDEA1.1に対する抗体を保有していると溶血などの重篤なトラブルが起き最悪、死に至る可能性があります。

 

また輸血に関しては、血液型が一致していても通常は輸血が可能か否かの判定をするためにクロスマッチ試験(または交差適合試験)を行う必要があります。というか血液型が一致しているという理由だけで輸血を行うと問題が生じる可能性があるため、輸血に関しては事前のクロスマッチ試験が必須となります。

 

一方、猫に関しても血液型の判定は判定キットを使って行います。猫の場合は判定キットでA型、B型、AB型の全てを判定することができます。

 

ちなみに猫の血液型はA型の割合が一番多くAB型は非常に少ないとされています。したがってもしAB型の猫に輸血が必要になった場合にはAB型の血液を確保することが極めて困難なため現実的にはA型の血液をクロスマッチ試験で問題が無いことを確認した上で輸血することになります。

 

(追記:犬の血液型を検査してくれるラボもありますがその場合も、全てのDEA抗原でなく臨床的に重要なものに限ってのようです。)

 

以上、簡単にですが犬猫の血液型について説明させて頂きました。ご参考までに。

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