肛門嚢と肛門嚢絞りのおさらい

中央動物病院

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肛門嚢と肛門嚢絞りのおさらい

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2018/01/16 肛門嚢と肛門嚢絞りのおさらい

肛門嚢とは「犬、猫などの食肉動物にみられる内外肛門括約筋間に存在する嚢胞」のこと。と言われても分かりにくいですよね。より簡単に言うと肛門の両脇にある(肛門を時計にみたてると4時と8時の位置にある)独特の臭いがする分泌物が貯まる袋のこと。この分泌物は仲間の識別や性的誘引作用の目的があるとされています。スカンクが身を守るために強烈な匂いがする分泌物をお尻から外敵に向かって吹きかけることは有名ですがそれもこれに当たります。

 

通常は排便時にこの分泌物が排出されるとされています。しかし実際は人が定期的に絞ってあげないと排出されずに問題が起きることがあります。特によくあるのは肛門嚢の導管開口部から細菌が侵入し化膿してしまうトラブルです。そうなると痒みや痛みでお尻を地面に執拗に擦りつける仕草がみられます。また、さらに悪化すると破裂してしまうこともあります。治療には肛門嚢内の洗浄と抗生物質の投与が必要になります。場合によっては肛門嚢自体を切除する手術が必要になることもあります。

 

そうならないためにも定期的に肛門嚢を絞ってあげてください。実際ご自身でされている方も多いと思われます。またトリミングサロンでトリミングをしていればしてくれる場合も多いと思われます。そして多くの方は外側から肛門嚢を絞っていると思います。実際それで上手く絞ってあげることができれば問題ありません。しかしこの方法だと上手く絞れないケースが比較的よくあります。また上手くいかないためつい無理して強く絞ってしまい犬が痛がったり、長時間かかったけど大して絞れず犬に嫌な印象だけを与えてしまう事があります。また絞ってあげたのにも関わらず犬が肛門を気にしてる、つまり上手く絞りきれていない場合があります。

 

いずれにしても必要以上に力を加えて肛門嚢を絞るのはNGです。そんな時は人差し指を優しく肛門に差し込み肛門の外側にある親指とではさむようにして優しく圧迫してください。そうすると簡単かつ確実に絞ってあげることができることが多いです。一度試してみて下さい。

 

「肛門に指を差し込むのはちょっと・・・」という方や上手く出来ない場合にはもちろん遠慮なく来院して下さい。こちらで処置させて頂きます。

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