目の表面が白くなる病気② <カルシウム沈着性角膜変性症>

中央動物病院

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目の表面が白くなる病気② <カルシウム沈着性角膜変性症>

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2018/01/31 目の表面が白くなる病気② <カルシウム沈着性角膜変性症>

角膜変性症とは角膜内には本来存在しないカルシウムやコレステロールが沈着することにより角膜の混濁や形状変化をきたす角膜疾患です。原因には局所炎症による自然発生性と高カルシウム血症を伴う疾患、副腎皮質機能亢進や甲状腺機能低下症などの全身性疾患を基礎疾患に有する続発性が挙げられます。また乾性角結膜炎(KCS)に併発する事もあります。

 

この疾患は片眼、両眼のどちらにも起こりえます。また、どの犬種でも発生が認められますが本邦では小型犬で高齢での発症傾向が見られます。高齢で痴呆症状などを呈し、いわゆる寝た切り状態の犬に発症することも比較的多くその場合には管理に難渋することもあります。

 

この疾患の特徴的な検眼所見としては角膜ジストロフィーとは異なり血管新生を伴うとされています。

 

この角膜変性症で特にカルシウムが沈着するタイプでは角膜糜爛が併発する事が多く、その結果痛みによる羞明症状などを示しその事が臨床的に問題となります。

 

このカルシウム沈着性角膜変性症の治療として内科的にはカルシウムのキレート剤であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)の1%溶液の局所点眼を行います。(ちなみにEDTA点眼液は市販されていないため自己責任で自家調合する必要があります。)外科的には角膜表層の切除やデブリードメントを行います。もちろん続発タイプの場合には可能ならば基礎疾患の治療も行います。

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