A.annuaと慢性下痢

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A.annuaと慢性下痢

A. annua は慢性下痢症との相性が抜群

慢性下痢症

下痢は、一過性の下痢症と慢性下痢症を区別する必要があります。

一過性の下痢症は放置していても治る、または対症療法等により数週以内に治ります。

慢性下痢症はヒトでは4週間以上続くものとされていますが、犬猫では3週間以上続くものと、ヒトより短く定義するのが適当であると考えられます。

慢性下痢症とA.annua

人間は古来から下痢症に悩まされ続けてきました。

長い人間の歴史で下痢に対する現在の治療薬剤が存在する期間はほんのわずかです。

その期間の大半は薬草に頼り、ヒトであまたの実症例を積み重ねた結果、中国生薬の各種書籍に効能効果の一つとして『下痢』が記載されているのです。

その中でアルテミシア アンヌアはとても重要な位置を占めてきました。

現在その作用について次々と科学的に明らかにされ、論文などで発表されています。

腸内細菌のバランスを改善する、つまり善玉菌を増やし悪玉菌を減らす力を持つことが判明しています。

下痢の原因となる様々な寄生虫に対する効果、中でも非常に厄介な原虫類を制御できることが判明しています。

また、抗炎症作用を発揮することも判明しています。

様々なウイルス種に対し抗ウイルス作用も示されています。

がんや腫瘍をやっつけてくれることも多くの論文で示されています。

炎症性腸疾患(IBD) に効果を示すことも論文発表されています。

これらを元に、ヒトと犬が様々な薬剤に対しとても近い反応を示すこと、副作用がほとんどないこと、様々な臓器の健全性の維持に役立つことなどを合わせ考えると、原因が判明しない犬の難治性下痢症に対し、A. annua は応用してみる価値の非常に高い植物と言えます。

慢性下痢症の分類

狭義の慢性下痢症

ヒトでは狭義の慢性下痢症は機能性下痢症とほぼ同じと考えてもよいとされており、機能性下痢症とは下記原因の下痢症に当てはまらず、6が月前から始まり最近3ヶ月慢性下痢症の基準を満たす場合と定義されておりますが、日常診療では下痢が4週間続くことで診断しても良いとも考えられています。

犬猫では3週間続くことで診断しても良いと考えます。

機能性下痢症は下痢型過敏性腸症候群(IBS)に連続することもあります。

アルテミシア アンヌアをお勧めします。

感染性下痢症

獣医領域ではヒト医療領域とは違い非常に多い疾患で、その理由は屋外での排便によりばらまかれる上に、道端の臭いをチェックするのが好き、さらに裸足で歩くなど感染拡大の要素が満載です。

線虫類感染症 回虫、鉤虫、鞭虫、糞線虫など

条虫類感染症 瓜実条虫、マンソン裂頭条虫など

原虫類感染症 ジアルジア、トリコモナス、コクシジウム、赤痢アメーバなど

ウイルス感染症 コロナウイルス、その他各種

細菌感染症 カンピロバクター、サルモネラ、クロストリジウムなど

これらの原因の多くに対しアルテミシア アンヌアが効果を示すことを多くの論文で確認できます。

食物起因性下痢症

乳製品、脂質など。

原因となる食物を摂取しなければ改善します。

症候性下痢症

甲状腺機能亢進症、慢性膵炎など。

原因となる疾患を確認しその治療を実施することにより改善する。

器質性下痢症

炎症性腸疾患(IBD)、大腸など消化管のがんや腫瘍など。

それぞれの疾患に対する対応と対症療法の実施をしますが、多くは治療困難であることが多いです。

これら疾患にはアルテミシア アンヌアが効果を示すことが報告されています。

薬剤性下痢症

抗がん剤、抗菌剤、プロトンポンプ阻害剤など。

投与を中止すれば改善するが、症状が強ければ下痢止めを使う。

胆汁酸性下痢症

回盲部切除後、胆嚢摘出後など

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