アルテミシア アンヌア(クソニンジン)は肝臓、胆嚢、腎臓に対する保護作用がある

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アルテミシア アンヌア(クソニンジン)は肝臓、胆嚢、腎臓に対する保護作用がある

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2025/06/08 アルテミシア アンヌア(クソニンジン)は肝臓、胆嚢、腎臓に対する保護作用がある

アルテミシア アンヌア(クソニンジン)は漢方薬として黄疸、腎盂炎、胆嚢疾患への応用が知られており、書物によって異なる部分もありますが帰経という項目に肝臓、胆嚢、腎臓やその他が記載されています。

帰経(きけい)とは、中薬(漢方薬)や食材(薬膳)がからだのどの臓器に影響、作用するかを示したものであります。

一つの例として中药大辞典(漢方大辞典)の青蒿に記載されている帰経を以下に示します。

ちなみに中药大辞典の青蒿というものはカワラニンジンもしくはクソニンジンを指します(来源 为菊科植物青蒿或黄花蒿的全草と記載されています)。

 

肝保護作用に関する論文紹介

この論文は、肝障害を起こさせる抗がん剤の投与時にアルテミシア アンヌア(クソニンジン)の併用がその肝障害を阻止することを確認した論文です。

ちなみに、この組み合わせでドキソルビシンの抗がん効果を強め副作用を軽減するという論文も発表されています。

 

Artemisia annua Extract Attenuate Doxorubicin-Induced Hepatic Injury via PI-3K/Akt/Nrf-2-Mediated Signaling Pathway in Rats

アルテミシア アンヌア抽出物は、PI-3K/Akt/Nrf-2 を介したシグナル伝達経路を介してラットのドキソルビシン誘発性肝障害を軽減します
要約
がん治療に使用されるドキソルビシン (DOX) には、その治療への応用を制限する有害な影響があります。したがって、DOX 誘発性障害を阻止する予防剤を見つけることが急務です。アルテミシア アンヌア(クソニンジン)には、生物医学的用途が数多くあ ります。この研究の目的は、雄ラットにおける DOX 誘発性肝毒性に対するアルテミシア アンヌア(クソニンジン)葉抽出物 (AALE) 治療の軽減効果を調査することです。AALE の植物化学スクリーニングを評価しました。40 匹の雄ラットを使用しまし た。 G1 は陰性対照群、G2 には AALE (150 mg/kg) を 1 か月間毎日腹腔内 (i.p) 注射し、G3 には 4 mg/kg の DOX を 1 か月間週 1 回腹腔内投与し、G4 には G3 として DOX を、G2 として AALE を注射しました。体重の変化と生化学、分子および組織病理学的調査を評価しました。結果は、AALE にはいくつかの潜在的な生物医学的用途に寄与する有望な植物化学成分が含まれていることを示しました。AALE は、ラットの生化学パラメー タ、抗酸化遺伝子発現、および肝臓の組織病理学的変化の変化を回復させることで証明されるように、ラットにおける DOX 誘発性肝毒性を軽減しました。重要なことは、DOX 治療による肝機能低下に対する AALE の影響は、PI-3K/Akt/Nrf-2 シグナル伝達の活性化を介しており、これが今度は抗酸化剤を誘発することです。

 

今後もアルテミシア アンヌア(クソニンジン)の肝臓や腎臓に対する保護,改善効果の論文や犬及び猫での実症例の紹介をいたします。

 

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