犬の変形性関節症

中央動物病院

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犬の変形性関節症

STAFF BLOG

2018/02/20 犬の変形性関節症

骨と骨の可動性のある結合部は関節と呼ばれ、その骨端は軟骨で覆われ、またその骨と骨の間隙は関節包で包まれ滑液(関節液)で満たされています。これらの仕組みにより身体運動時に生じる骨への衝撃を吸収して和らげたり、骨と骨が直接ぶつからずに滑らかに動くことが可能となります。

 

変形性関節症とは何らかの原因で関節内の軟骨がすり減っていしまうことにより直接、骨と骨がぶつかりあうようになりそれが長期に渡って続くために生じる関節の変形のことを言います。

 

初期の内は明らかな症状を示さない事も多いのですが進行してくると痛みのため動きが鈍くなったり散歩を嫌がったり、ソファーなどの高い所への昇降をしなくなったり、びっこをひくようになります。

 

原因としては大きく分けると2つあります。

 

1つは加齢・老齢を原因とする原発性の変形性関節症。

 

もう1つは他に原因があってそのために2次的に発生する続発性の変形性関節症。他の原因として肥満・肢の異常(肘関節形成不全、膝蓋骨脱臼・前十字靭帯断裂・股関節形成異常など)が考えられます。

 

診断は症状に基づき触診や画像診断で行います。

 

残念ながら根本的な治療法はありません。と申しますのも損傷した関節軟骨は再生力に乏しいとされているためです。これに関しては再生医療の発展に期待です。ただし続発性の変形性関節症に関しては早期に原因疾患を治療する事により関節軟骨の損傷を軽度に抑えることは可能と思われます。

 

以上より治療の主眼は疼痛管理に置かれます。なるべく早急に痛みを緩和させ適度な運動ができる状態にもってゆきます。なぜなら関節は動かす事によりその機能を維持・回復させる事ができるためです。逆に痛みを抑えないと運動ができず関節の可動域の減少が進行し、また筋肉も衰えるためますます運動がしにくい状態になってしまいます。ただし変形性関節症の犬は高齢の事が多いため鎮痛剤の服用にあったては他の内臓疾患の有無などにも注意を要します。また関節疾患に有効とされるサプリメントの服用も検討します。

 

これらに加えて適正体重を維持し、滑りにくい床の状態にする事などにより関節への負担を減らす事ができます。

 

できる範囲内でベストを尽くし愛犬の関節の変形が進行するのを遅らせてゆきましょう!

 

(余談なのですが猫も高齢になるとかなりの割合で変形性関節症に罹患するのですがはっきりした症状を示さないことも多いです。参考までに。)

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