目の表面が白くなる病気① <角膜ジストロフィーと角膜内皮ジストロフィー>

中央動物病院

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目の表面が白くなる病気① <角膜ジストロフィーと角膜内皮ジストロフィー>

STAFF BLOG

2018/01/25 目の表面が白くなる病気① <角膜ジストロフィーと角膜内皮ジストロフィー>

目の表面に当たる角膜が白くなる病気はいくつかあってややこしいのですが何回かに分けて紹介していきたいと思います。まずは角膜ジストロフィーと角膜内皮ジストロフィーです。

 

角膜ジストロフィーは角膜(より正確には角膜上皮下または角膜実質)の中央領域が白く混濁する遺伝性の角膜疾患で両目に認められます。角膜表面は無傷であり炎症を供わないないため痛みを生じることはありません。若齢で発症することも多く緩やかに進行していきます。

 

通常、点眼による治療には反応しません。痛みはないため日常生活に支障を及ばすことはありませんが混濁範囲が広がり視覚に影響を及ばす場合には外科治療である角膜切除を検討することもあります。

 

ついでながら似たような病名の角膜内皮ジストロフィーについても触れておきます。こちらの疾患でも角膜が白く混濁します。中年齢で発症することが多く最初は局所的でもゆるやかに全体に混濁が広がります。また最初は片目でも最終的には両目が白濁します。原因は角膜内皮細胞に障害が起きることにより浸透圧調節機構の破綻が生じ結果として角膜に浮腫が生じるためです。特定の犬種に多く見られるため遺伝の関与が原因として考えられています。痛みは基本的にはなく視覚も維持されます。(進行して角膜潰瘍を併発すると痛みが生じます。)

 

治療には5%塩化ナトリウム点眼液や軟膏を使用することで角膜浮腫の改善を行いますが高張であるため刺激を伴います。また対症療法であるため障害を受けた角膜内皮が修復されることはありません。ちなみに障害を受けた角膜内皮は修復しないとされます。そのため敢えて根治療法を挙げれば角膜移植となりますが現実的にはなかなか難しいです。

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